“脱”中途半端なテレワーク対応 徹底的な業務デジタル化✕セキュアな環境整備

2021年6月10日、株式会社レコモットとドリーム・アーツの共催で「“脱”中途半端なテレワーク対応、徹底的な業務デジタル化✕セキュアな環境整備」セミナーを開催しました。
皆さんの職場では業務のデジタル化やテレワーク対応は進んでいらっしゃいますか?
昨今の急激な環境変化により、突貫で対応された企業・部署も多いのではないでしょうか。
紙がPDFになって、ハンコがワークフローシステムになっただけでは業務改善つながっていなかったり、テレワーク推進のためBYODを推進したいがセキュリティのリスクが気になったりと、お悩みの方も多いのではないかと思います。
今回のセミナーでは、大企業向けワークフロー&Webデータベースの「SmartDB」を用いて大企業がスピーディーに業務デジタル化を推進するポイントと、「moconavi」を介した社給端末と私用端末が混在する状況でセキュアな業務環境を実現するためのポイントをご紹介!
また、両ソリューションを組み合わせてデジタルワークプレイスの構築を実践しているサーラビジネスソリューションズを迎えて、具体的な取り組みについてご講演いただきました。

講演1:デジタル化の先へ!“SmartDB”で実現する業務デジタライゼーション 株式会社ドリーム・アーツ 協創パートナー推進本部 エンゲージメントリード 吉岡 茉利奈

昨今、外部環境の変化によって、半ば強制的に行った電子化は企業に新たな課題を生んでいます。例えば、紙やExcelがPDFに変わっただけで、結局は手作業や出社を伴う作業が残るといったことが挙げられます。このように中途半端なデジタル化(電子化)では本当の意味での業務変革は実現できません。部分的におこなう単純な電子化ではなく、業務プロセス全体のデジタライゼーションをおこない、効率的な業務を実現することが重要であると、弊社は考えています。
しかしながら、業務全体をデジタル化しようにも企業のIT人材は不足しています。限りあるIT人材は高度なDX(デジタル・トランスフォーメーション)に従事しており、社内にあるさまざまな業務プロセスをデジタルで改善するところまでは手が届かない、といった課題もあるのではないでしょうか。
こうした課題があるなか、「SmartDB」がどのように大企業の業務デジタライゼーションを支援するのかをご紹介していきます。

発想の転換、デジタルの民主化とは?

中途半端な電子化、部門ごとにシステムが乱立、IT人材の不足…デジタル化が進まない要因はさまざまあります。そこで提唱したいのが「デジタルの民主化」という考え方です。
業務に最も精通する現場部門の人材が、自らITを活用できるようになれば、今までにないスピードで業務のデジタライゼーションを推進していくことができます。
また、その取組みが1人2人と増え、全社レベルの取り組みにまで広がれば、ITを活用できる自信と確信が得られ、DXを支える企業カルチャーとなるのではないかと弊社は考えています。

ドリーム・アーツ

そんな「デジタルの民主化」を提供する「SmartDB」は誰でも簡単にワークフローや文書管理、システム連携を実現できるプラットフォームです。「SmartDB」による業務デジタル化のポイントはこちらです。

ポイント1:業務部門(非IT部門)自ら、簡単に業務デジタル化

「SmartDB」はノーコード・ローコードなので、ITの知識を持たない現場メンバーでも簡単にアプリケーションを開発することができます。 例えば、人事部門のメンバー2人が3ヶ月で20業務をデジタル化したといった事例もあります。まさに、デジタルの民主化を実現されています。
【関連事例】日本特殊陶業|わずか3ヵ月で20業務をデジタル化! 現場主導で取り組む人事戦略とは

ポイント2:複雑な業務フローにも柔軟に対応
「SmartDB」は業務を構成する下記4つの要素を高いレベルで備えています。

  • フォーム作成機能
  • ワークフロー機能
  • データベース機能
  • コミュニケーション機能

これらの機能によって、複雑な業務の流れをデジタルで実現することが可能です。 ワークフローを電子化するだけの一般的なツールとは違い、入力情報をすべてWebデータベースに蓄積しデータを活用できるほか、自動経路設定、合議申請、特定の人への差戻し…など単純化できない実業務の流れそのものをデジタル化することが出来ます。

ポイント3:ピュアクラウドならではの他システム連携

業務デジタル化を目指す企業の多くは、複数のシステムの利用により、ツールやデータの分断が課題になるケースもあると思いますが、「SmartDB」は、多くのクラウドサービスとの連携が可能です。
各SaaSと連動し、コピペ作業やCSVを使った手作業の連携ではない、ミスが起きない・効率的な一気通貫の業務プロセスを実現できます。

「SmartDB」が目指す業務デジタライゼーションとは

ドリーム・アーツ

3つのポイントで解説したように、「SmartDB」を活用すればレベル1のような単純な電子化ではなく、業務全体のデジタライゼーションを目指すことが出来ます。
入力データからデータベース化することで業務全体をデジタル化することができ、そこからさらにレベル3にあるような自動化やシステム連携、解析分析など、本来実現すべき業務改革へとつなげていくことが出来ます。

事例ご紹介

「SmartDB」は現在、下記にあるような多くのお客さまにご利用いただいています。
最近発表したお客さまですと、株式会社ヤマダホールディングス、三菱オートリース株式会社、東海カーボン株式会社です。各社さまどういった効果を期待して「SmartDB」を導入したのかも紹介していますのでぜひご覧ください。

ドリーム・アーツ
【関連資料】サクッと19社分まとめ読み!大企業の業務デジタル化事例

講演2:多様化する働き方には“moconavi”が必要!簡単導入でセキュアな業務環境を実現 株式会社レコモット セールス&マーケティング部 朝倉 貴子 氏

なぜ今moconaviなのか?

新型コロナウイルスの蔓延や災害対策から、テレワークを導入する企業は増えています。対象は全従業員となるため、デバイスの調達や運用コストで悩まれている企業さまもいらっしゃるのではないでしょうか。そんななか、私用端末の業務利用である「BYOD」が再度注目されています。昨今は部門などによって、社給デバイスとBYOD端末いずれも運用する企業さまもいらっしゃるようです。しかしながら、業務利用するとなるといずれもセキュリティ対策は最重要課題となります。
そんなBYOD、個人の端末を会社で管理する際どういった管理方法をイメージされますか?
「目的は情報事故を起こさないことで、私物端末を管理することではない」と言いつつ私物端末に管理ツール入れることへの抵抗や、私物であるBYOD端末の管理をしたくないといった思いもあるかもしれません。

moconavi

また、社給の法人端末の管理にも課題はあります。法人端末の場合MDMを導入されていることが多いかと思います。しかし、MDMの機能であるリモートワイプの成功率は、6~16%とかなり低い、といったリサーチ結果もあるようです。
そこで、考えたのが「そもそも端末に業務データが残っていなければ情報事故を防げるのではないか?」ということです。そこでご紹介するのがmoconaviです。

moconaviとは?

moconaviは普段業務で使うシステムを、スマートフォン・タブレット端末から安全にアクセスできるようにするリモートアクセスツールです。
moconaviアプリをとおして、各種クラウドサービスへのアクセスができるほか、専用の中継サーバーを設置するだけで、社内オンプレミスサーバーにもセキュアに接続することが可能となります。

moconavi

moconaviを通してつながる事のできるクラウドサービスの一例がこちらです。
ゲートウェイのようなイメージで、moconaviを通してさまざまなアプリケーションを利用できます。

moconavi

moconaviは社給端末にもBYOD端末にも入れて使うことができます。MDMと組み合わせて使うことができ、BYOD端末であればmoconaviだけでセキュアに利用することができます。
また、AndroidやiOSのほかWindows10やガラホにも対応しています。

moconavi

さらに、moconaviへのアクセス時間を制限することも可能なので、働きすぎ防止にも役立てられます。

事例ご紹介

moconaviはクラウド型MAM (Mobile Application Management:モバイルアプリケーション管理)の市場シェアNo.1、多くのお客さまがご利用中です。
本日はこのあと、導入いただいているサーラさんからの講演もあるのでぜひお聞きください。

moconavi
『moconavi』についてはこちら

講演3:業務のデジタル化とテレワークの課題を一気に解決! ~「SmartDB」で業務のデジタル化&moconavi利用でどこでもセキュアにアクセス可能な働き方へ~ 株式会社サーラビジネスソリューションズ 小出 輝雄 氏

私が所属するサーラグループは、愛知県と静岡県を中心に都市ガス供給事業を母体とした企業グループです。グループ46社、社員約4,600名、事業所は全国に300箇所以上あります。
私の所属するサーラビジネスソリューションズは、グループのIT子会社の位置づけで、各社のシステム開発・運用・ネットワーク・インフラの構築やセキュリティ施策をおこなっています。

「SmartDB」と「moconavi」との出会い

「SmartDB」については、NotesDBの移行先として提案をいただき2012年から利用を開始しました。
その後2018年に「SmartDB」をオンプレからクラウドに移行し、これにより社外アクセスがしやすくなりました。社外利用、特にスマートフォン利用での利便性と安全性を模索し、併せて業務に私用デバイスを利用できないか検討をおこなうべくツールの調査をおこなっておりました。そこで見つけたのが「moconavi」でした。
2019年秋頃だったと記憶しておりますが、「moconavi」上で「SmartDB」を動作させるにはどうしたら良いかの打合せをおこなう際に、ドリーム・アーツ様/レコモット様をお引き合わせしたのが弊社でした。

さて、タイトルにもある「業務のデジタル化とテレワークの課題を一気に解決」ですが、これを実現するには、下記3つのポイントが重要です。
今日は、新型コロナ発生以前からおこなっていた取り組みから直近1年で取り組んだ業務デジタライゼーションについて、この3つのポイントに沿ってお話していきます。

  1. 情報格差を無くす
  2. 情報アクセスの壁を無くす
  3. 情報の停滞・滞留を無くす

情報格差を無くす

以前弊社では以下のような課題がありました。
・自社以外のグループで、自社の他事業所で何が起きているのかわからない
・当時リモートワークの仕組みや就業規則上の前例がなく、待機児童の問題に直面した社員が退職せざるを得なかった

社員は約4,600名いますが、当時「SmartDB」のアカウント数は3,800IDと約20%弱が情報にアクセスできませんでした。物流ドライバーやホテル厨房スタッフなど、社員ですがPCを使わない業務に携わっている方、カルチャースクールの講師、お料理教室の先生など、社員ではないものの、事業運営に無くてはならない方を加えると、総勢は5,000名を超えます。
しかし、グループの事業運営に関わる人に隅々まで経営や事業目標に関わる情報を行き渡らせるには、PCや認証アカウントの付与に伴うコストの問題もありました。

SDB2

そんなとき、「SmartDB」をクラウドへ移行しました。「SmartDB」で作成した業務アプリはクラウド上で利用可能となり、情報を集約していくことができるようになりました。さらに、スマホを使ってスピーディーに業務を行えることから、場所にとらわれない “自由な働き方”の実現を目指せるようになりました。
しかし、全社員へのスマホ支給は、コストの面から現実的ではありませんでした。

SDB2

②情報アクセスの壁を無くす

前述のコスト面での課題解決の策として、模索したのが私有デバイスの活用「BYOD」の可能性でした。BYOD端末で安全に快適に業務を進められるアプリケーションを探し、そこでmoconaviと出会いました。
moconaviは「個人の領域と業務の領域が完全に分離され、端末にデータが一切残らない」ところを高く評価しています。セキュリティや費用、利便性も申し分なく、2020年頭から弊社で利用開始となりました。

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こちらが、弊社が現在moconaviで利用している各アプリです。
「SmartDB」のほかメールなどさまざまな業務に使うアプリケーションが私有デバイスからもセキュアに使えるようになりました。グループの各事業会社でも、moconaviを経由して営業支援システムや顧客管理システムなどを利用しています。
一部の業務システムは、社員だけでなく、社外の協力パートナーの方もサーラのデバイス以外で利用しています。
グループ各社からリモートアクセスの相談があった場合は、moconaviの説明をし、Web業務システムやクラウドサービスをmoconavi上で利用するための仕組みを順次提供しています。

③情報の停滞・滞留を無くす

こうした取り組みを、徐々にグループでも展開しようとしていた矢先に新型コロナウイルスが蔓延。既に、「SmartDB」がクラウドで使えるようになっておりmoconaviも導入されていたので、リモートでも会社やグループの動きに関するストック情報(通達、お知らせ等)は共有できていました。しかし、重要なのは部門間やグループ会社間で扱うフロー情報(申請、承認、申し送り、対応依頼等)をいかにして回すかでした。 そこで、フロー情報のデジタル化を「SmartDB」で今まで以上のスピードで実現していきました。
バックオフィス業務、フロント業務それぞれ実現した業務を説明します。

(1)バックオフィス業務

▼ワークフロー

  • 稟議書(紙) →わずか2週間でリリース!
  • 旅費交通費精算ワークフロー
  • 小口勾配申請ワークフロー
  • クラウド利用申請ワークフロー
  • スマートデバイス設定サポート申請ワークフロー
  • 同じ会社内で別部門への商材紹介
  • グループ内の別会社への商材紹介
  • グループ内の別会社への後続作業依頼、申し送り

▼会社を跨いで関係者にフローを回す業務
稟議や各種申請系のワークフロー業務のほかに、下記のような“会社を跨いだ情報共有・依頼”を伴う業務も多く、「SmartDB」の組織連携機能が重宝しています。

  • ガス事業会社で部門を越えた商材紹介
  • グループ内の別会社への商材紹介
  • グループ内の別会社への後続作業依頼、申し送り

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▼実例:提案活動の事前申請と報告
動物医薬品販売卸の会社でも以下の図にあるようにさまざまな業務で「SmartDB」が活用されています。

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とくに、営業部門ではドクターや家畜農家さん向けの提案活動の事前申請と事後報告に「SmartDB」をフル活用しています。かつてはExcelで運用していて、営業企画本部の担当者がすべてを転記するなどの大変な苦労をしていましたが、「SmartDB」による仕組み変わってからは転記が「0」となりました。 この活動は人事評価・考課に組み込まれておりなくてはならない仕組みとなっています。

(2)フロント業務の事例

サーラグループでは各市に旗艦店として複合ショールームを展開しています。ショールームではお客さまからさまざまなお問い合わせをいただき、対応する各事業会社へ申し送りをしています。案件管理はExcelでおこなっており、申し送りの際はメールや電話、FAXなどが使われていました。登録漏れによる対応遅れや問い合わせに即答出来ないことでクレームになってしまうこともありました。

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そこで、「SmartDB」で「申送り案件管理簿」を作成しました。
お客さまから頂いた情報を「申送り案件管理簿」に登録しデータベース化。各事業会社の担当が同じデータベースを確認し、対応状況や進捗を登録していくことが可能になりました。この事例のポイントは、デジタル化による効率化はもちろんですが、業務デジタル化を通して、進捗が滞っている案件を毎日店長が確認し、対応を停滞させないように徹底的に追跡する、と業務ルールの意識改革が起きたことです。
また、バックオフィス業務の事例でも触れましたが、「SmartDB」が会社を跨いだワークフロー運用に強いツールであることも成果につながっていると捉えています。

sala

申送り案件管理簿により、成約率は飛躍的に向上しました。また、不成約案件の情報も将来の見込み客として一元管理できるのも良い点でした。1店舗だけの取り組みでしたが、これから各店舗に横展開しよう!と計画していた矢先に新型コロナが発生しました。
来店対応ができなくなった代わりに電話やメールでの問い合わせは激増。ショールームの統括本部からは、『「申し送り案件管理簿」を全店に導入し、徹底したデジタル化に基づくお客さま対応をせよ』との指令が飛び、一気に全店での運用が始まりました。
1年足らずで全店での対応件数は6,000件を超え、それぞれが確実なフォローをおこなっています。

今後の展望

今後も「SmartDB」を業務の起点として、さまざまなSaaSと連携し活用を広げていきたいと思っています。「SmartDB」は標準機能が充足しており、その機能の多くは画面上の設定変更のみ利用することができます。日々、大企業のベストプラクティスをもとにした新機能が展開され、開発の敷居がどんどん下がってきています。今後は我々のようなIT会社だけではなく業務に詳しい現場社員が自らの手で「SmartDB」を用いてスピーディーに業務改善を行えるようにしていきたいと考えています。

まとめ

sala

本日お伝えしたかったのは、「業務で扱う情報をできる限りデジタル化し、どこからでもセキュアにアクセスし業務を滞留させないようにする」ということです。
また、「①情報格差を無くす、②情報アクセスの壁を無くす、③情報の滞留・停滞を無くす」の3点は、新型コロナの発生によって加速したのは間違いありません。しかし、新型コロナのような事象がなかったとしても、本日紹介したように、制度や仕組みの見直しをおこなっていくことが大切です。古い仕組みやこれまで当たり前だった常識を見直し、ツールと合わせて業務も新しいやり方にアップデートしていくことが重要だと考えています。
こうした取り組みの先に従業員満足があり、これが顧客満足の獲得にもつながっていくと捉えています。

関連資料
3分でわかる「SmartDB」

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大企業における業務デジタル化の課題と、その解決策として「SmartDB」で、どのように業務デジタル化を実現できるのかをご紹介する資料を公開しました。ぜひご覧ください。